今回はチェンバロとバロックフルートの演奏です。
色々なバロックフルートを持って来てくださいました。
木のもの、象牙のもの、銀のもの。
楽器というよりは、音の出る芸術品ということで、大変貴重なものを
見せて頂き、聞かせて頂きました。形もそれぞれ違いますが、昔の演奏家の方は楽器をおしゃれに持って歩いていたみたいですよ。
それにしても演奏中、ギャラリーが一瞬宮廷の隠れ部屋演奏会になったかのようでした。
バッハのフルートソナタ。遠くのカッコウと近くのひよどり、枝から枝へ、遠くから近くへ。そんなイメージの音楽。
笛の音が鳥の鳴き声のよう。チェンバロは弦の振動を響かせて、フルートの音色にカーテンがたなびくように重なっていきます。

チェンバロは温度、湿度計の上に弦がはっているような繊細な楽器ということで、専門の調律スタッフの方もスタンバイして頂いていました。
そして今回のチェンバロは、建築家の方の設計ということでした、なにかのご縁か、昔安藤忠雄事務所におられた方だとのこと。建築家の方は建物だけでなく楽器の設計もできるのですね。頂いた資料には笛の設計図も載っていましたが、こちらも本当に緻密な計算で設計されているようです。音色だけでなく、いろいろな面から楽器について知ることができる素敵な演奏会でした。