にいらっしゃいます。国際電話がたまにかかってきて、「寒くて、ずっと曇り空だよ～」とおっしゃっていました。ちょっとけだるい感じの声でしたが、寒くて曇り空の日々も結構お好きなのかもしれないなと思います。



ここ何年か神戸には来られていないのですが、又是非新作展で神戸にご本人も来ていただきたいです。全体的に暗い色の作品ですが、中でも私はインディゴブルーの深い色の作品が好きです。

まだギャラリーに勤めだしてまもない頃、藤崎さんが、ギャラリーで絵を描いておられたことがあるのですが、なんともいえぬドキドキしたことを思い出します。（なかなか制作現場に立ち会えるということめったいにないことでした。）
藤崎さんがキャンバスに向かって、ノンストップで筆を動かしている間に、絵はどんどん変わって動いていました。はじめは上半身の女性の顔のようだったものが、横向きにかわり、最後は裸婦の後ろ姿みたいになりました。私は家政婦は見た、状態でどきどきしながら、見てもいいのだろうかなどと思いながら見ていましたが、すごいな～と思います。
その時は、結局その作品は完成せずに、又次来たときにつづきね、と言って帰っていかれました。

藤崎さんは人物をたくさん描いておられますが、モデルさんがいるわけではないそうです。
モデルさんがいない、ということですが、描かれている人物は、どこかにいる誰かのように見えてなりません。たまによく、目があって、思わず立ち止まってしまいます。

藤崎作品は、なかなか日常生活の中で飾る感じではないかもしれませんが、ギャラリーでゆっくり鑑賞していただければと思います。
展覧会は来週の水曜日、21日までです。