本日、神戸新聞の朝刊に高野卯港展のご紹介記事が掲載されました。上記作品が白黒で掲載されています。卯港さんの作品は、たくさんの色が使われているので、実物は又違います。是非実物ご覧頂きたいと思います。

今日は、卯港語録から、前々回の展覧会の始まる前に書かれた文章だと思います。

個展がしばらくないので、待望の第二回の展示になる。

　抽象以外は何でも描いてきた。12メートルほどの壁をどの絵にするか。拡散した
モチーフを絞る作業は大変だ。

自己同一、アイデンティティというと、これが難しい。無理にまとめると嘘になる。
まぎれもない自分のものとは？
彼岸花という小津安二郎の映画、終わりの方で、主人公が「人生は矛盾の総体だ」or主体だ？
というのセリフがある。正か総かどっちか聞き漏れたがいずれもおもしろい。
こんな西洋化された中にいて、米軍の中にいて、私は日本人なのか。
クリスマスもお正月もして何なんだ。
まあいいか。私自身は単に旅を描く画家。近く遠くパリにもすこし住んだ。経験したこと
ＴＶで見たことも描く。古代の遺跡や、維新の建物、土地を訪れれば感応して描く。
時代も土地も自由に飛ぶ。これが私。
今回、無理に自己同一を謀ってみた。

----------　　シンプルで純な日本美とは？

近頃、アメリカという異物がますます気になる。日本独立国ではないのだ。アンポのツケ？
このまま、日本は憲法を変えて軍隊化させられるのか。
高度な社会主義国？日本も狂乱に向かうのか。無責任、居直り、不景気の特別階級。
太陽、月星が絵に現れた。天空からの世の無常を見れないか。愛も哀愁もほしい。
今だ引きずる大正ロマン、泥の川。
橋と巫女達。女神と群衆と。デカダンス。
結局、こういう展示になった。

高野卯港
二○○七年　十月